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【書評】小川糸著『ツバキ文具店』を読んでみた|秋|

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神奈川県鎌倉市を舞台に、家業であるツバキ文具店の十一代目になった、主人公の鳩子(通称:ポッポちゃん)。

 

そんなポッポちゃんが、家業であるツバキ文具店の代書屋としての生きざまを描いた本作品は、季節ごとに文章が綴られており、鎌倉の季節感を垣間見ることが出来ます。

 

筆者は本作品を手に取って読み始めたばかりだが、第一章ともいうべき|夏|を読み終えたころには、すっかりと本作品の虜になっていた。

 

そして今回は第二章|秋|を読み終えたところで、引き続き【書評】を書き加えたいと思います。

 

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「代書屋」として先代の意志を受け継ぎつつ、才能溢れる鳩子の代書が人々の心をわしづかみにする

 

www.inoueatsushi.info

 

前回記事の『【書評】小川糸著『ツバキ文具店』を読んでみた|夏|』をブログに書き終えた翌日、筆者はすぐさま|秋|を読み進めた。

 

文中の季節は夏から秋への変わり、舞台である鎌倉の季節感も織り交ぜながら、鳩子(ポッポちゃん)が、家業のツバキ文具店の代書業をこなしていく様を、みごとに描いている。

 

代書屋と聞くと、筆者である僕はあまりなじみがないせいか、どういった仕事なのか始めピンとこなかったが、文中にもあるように「文字に関するヨロズ屋」というフレーズが頭に残り、読み進めるほどにその言葉がだんだんと理解できるようになってくる。

 

筆者自身、字を書くことに自信がなかったため(字が下手である)、筆不精だ。

 

しかも、携帯電話の普及により、連絡手段といえばメールやLINEなど、全てがインターネット経由で済ませられる時代となった今、代書屋という存在自体、筆者自身も利用したことが無い。

 

ツバキ文具店の第二章といえる|秋|には、筆不精なお客が舞い込んでくる

 

『代書屋』

 

この章を読み終えて筆者がまず思ったのは、鳩子のような代書屋に出会い、なんなら代書を依頼したいと思えるようになった。

 

筆者である僕自身も、先にお話したように、「筆不精」であり、字もかなり下手くそである。

 

なので、今までも心のこもった手紙を書いて送りたいと思ったことが幾度かあったが、その都度書いては破棄した記憶がある。

 

もし、鳩子のような代書屋がいたら、間違いなく頼んでいたと思う。今回の章はそんな場面が登場する。

 

「代書屋」と聞くと、事務的な文章のイメージしかないが(実際の代書屋の多くはそうだろうが)、心の奥底の想いを形にして、代書してくれる鳩子の才能あふれる文章と思いに、つくづく私の心が鷲掴みされていくのがわかります。

 

『ツバキ文具店』の|秋|を読んでみて本当に大事なことに気づく

 

本作品を読んでいるうちにふと気づいたことがある。

 

それは、「心の声」は脳を介して手に伝わり、「想いを形(文章)」にすることで、自分が今、本当に何を考え何を想っているのか、ということを認識できるということだ。

 

普段、日常生活を送っていながら「心の声」で色々な想いを巡らせてはいるけれど、それを中々、表に出すことはないと思う。

 

ましてそれが、目の前にいる相手に対しての批判や苛立ち、怒りなどの想いだったら尚更、言葉にすることは出来ないだろう。

 

そういったものが「頭の中」に蓄積されていったらどうだろう……。

 

積もり積もったマイナスの感情がストレスとなり、頭の中を傷つけることだって考えられる。

 

そんな想いが爆発する前に発散する方法といえば、やはり「書く」という行為が大事であると筆者は思う。

 

手はよく「第二の脳」という。簡単に言うと、脳は指先に対して常に「指令」を送っているからだ。

 

書くという行為は心の声を発散するにはもってこい⁉

 

このような考えには賛否両論あるかもしれない。

 

だが、僕は常日頃から自分用のノートを持ち歩き、心の声を形にしている。

 

それが効果的なのは自分自身ではわかっているつもりだか、僕は学者でも哲学者でもないため、「これこれこうだからこうだ!」というつもりは毛頭ない。

 

しかし、僕にとってこれは効果がある。常に実証済みなのでおすすめしたいが、ここであえて言うことでもないので、今回は控えさせていただく。

 

【書評】小川糸著『ツバキ文具店』|秋|を読んでみて

 

少し話が脱線してしまったが、本作品から学ぶことは非常に多いと思う。

 

しかもそれは十人十色、様々な想いを感じることが出来ると思う。

 

一つ言えることといえば、「初めに言葉ありき」という聖書の言葉がしっくりくる。

 

初めに言葉があり、それを文章という形にして、想いを綴り、相手に贈る。

 

ここに登場してくる人物は、相手を想いながら(気遣いながら)、代書屋である鳩子に自分の言葉である想いを預けていく。

 

それが文章となり、相手に届く。

 

『代書屋』

 

人と人を繋ぐ大事な架け橋となる素晴らしい仕事である。

 

最後に

 

今回は、【書評】小川糸著『ツバキ文具店』を読んでみた|秋|の感想と筆者の想いを語らせていただきました。

 

次回は第3章にあたる|冬|を読み終えたのち、【書評】小川糸著『ツバキ文具店』を読んでみた|冬|と題して感想をお届けしたいと思います。

 

本日は筆者の個人的な感想と思いにお付き合いいただきましてありがとうございます。

 

 

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